新装マル秘必殺現代版 レポート

82年の大晦日に放送された「マル秘必殺現代版」の編集版&三元生放送番組。
再放送が全くと言っていい程されない「現代版」との比較のためもあり、名もなき依頼人さんに「新装」のレポートを作成していただきました。レポート作成、ありがとうございました。

放送日:198510月4日

<オープニング>「必殺!」の音楽が鳴り響く中、東京・新宿西口で花屋の政(村上弘明さん)が的を仕留める。

京都・八坂神社で、何でも屋の加代(鮎川いずみさん)が組紐屋の竜(京本政樹さん)に合図を送り、竜が的を仕留める。

「中村主水のテーマ」に変わり、大阪府警・南警察署ではこれから夜回りに出て行こうとする筆頭同心の田中(山内としおさん)の目を盗み、道頓堀で中村主水が的を仕留め、そのままパチンコ屋へ入って行く。


「新装マル秘必殺現代版東京六本木京都円山公園大阪梅田〜3元仕事人ナマ中継」のタイトルが出る。

司会者…玉井 孝さん

玉井さんの番組解説。解説中に「現代版」のダイジェスト映像が流れる。
ただ、解説の中で「今夜を見逃せば、再びお目にかかれないと言う幻の必殺」と気になる発言有り。

大阪・梅田コマの楽屋に藤田まことさん、山内としおさん、白木万理さんがスタンバイ。

東京・六本木に村上弘明さん、菅井きんさんがスタンバイ。

京都・円山公園「長楽館」に鮎川いずみさん、京本政樹さんがスタンバイ。



・本編1
マル秘必殺現代版 主水の子孫が京都に現れた 仕事人VS暴走族

中村主水が新聞を読んでいる。新聞の見出しは、「悪徳医師、謎の転落死!」
長谷川加代が、目撃者として警察で事情を聞かれている。加代は、「錯覚ではないか?」と意見を述べる。
結局、悪徳医師の「謎の転落死!」は事故と言う事で落ち着く。

しかし事実は、悪徳医師の「謎の転落死」は中村主水、村上秀夫、山田勇次、長谷川加代が仕組んだ事だった。
中村主水(藤田まことさん)保険の勧誘員、
長谷川加代(鮎川いずみさん)個人タクシーの運転手、
山田勇次(中条きよしさん)…ピアノの調律師、
村上秀夫(三田村邦彦さん)…アクセサリー手造り販売、
この4人には、カラオケ仲間で有ると言う接点が有った。

「謎の転落死の回想」
中村主水、長谷川加代、山田勇次、村上秀夫の4人が「冬の花」をカラオケで歌っている。
歌っている処を医師らに絡まれ負傷してしまう。この医師が悪徳産婦人科医師で、大勢の人々から恨みを買っている事が判明。
この事で中村主水が、「ご先祖様のひいひいじいさんだったらぐさっといく処なんですがね!」と発言した所、何と4人共、先祖が仕事人でしかも、組んで裏稼業をやっていた事が判明。しかも、4人共、ご先祖様から仕事に使った道具や遺言を伝えられていたのだ。
頼み人の事は加代が引き受け、他の3人は仕事を実行に移す事にした。
仕事の方は、何とか成功したものの仕事料は誰からも取る事が出来なかった。「謎の転落死」が、事故と言う形で決着した為誰も仕事料等払う者がいなく、又、中村主水達も依頼人達に本当の事を言う事等出切る訳がなかった。

しかし、映像を見る限り勇次と秀夫の2人は的を仕留めていない。
「暗闇者」(仕事人V)の音楽が流れる中的を仕留め様とするが、勇次の場合三味線の糸が切れるし、秀夫の場合舞妓さんに仕事の邪魔をされている。

唯一、主水だけが悪徳医師の乗っている車を崖の下へ誘導し、転落死さす事に成功している。
しかし、これも車の運転手が主水の振る舞いを勘違いし、車のハンドルを崖の方へ切り、転落してしまったと言う物で有った。

ただ勇次、秀夫、主水が、仕事をする時各ご先祖様の的を仕留める映像が流れていた。

結局、仕事料は取れないし、この様な危険な仕事はコリゴリだと各人、普通の仕事に戻った。

ある時、主水が仙田家から5,000万の保険を取る話に成功する。
びっくり仰天する田中係長。(田中係長山内敏男さん)保険の条件が事故死亡時の時3倍払い(1億5,000)と言う内容だった。

その夜、仙田家の娘である祐子が暴走族に暴行される。(仙田祐子中西紫野さん)

(番組とは直接関係ないが、9時26分頃、関東地方で地震が有ったと言うテロップが流れる。)



・夢の必殺1
村上弘明さんの夢の必殺を披露。(この直前の東京の地震の震度は5。)
「密林の王者ターザン編」
(アフリカでターザンに扮し、密猟者を仕留めると言う物で有った。)

鮎川いずみさんの夢の必殺を披露
「女賭博師編」
(
アメリカ・ミシシッピ川の船上で、荒くれ者を相手に、大暴れする物で有った。)
鮎川さんはバレエで体を鍛えているから、体が柔らかいとコメントしていた。

大阪・梅田コマの楽屋に笑福亭鶴瓶さんが到着。
鶴瓶さんの必殺技は、ビードロ(ポッペン)を使用すると明かす。



・本編2
主水が、仙田家を訪れてみると娘の祐子が暴走族に暴行された事を苦に自殺、又、奥さんのいくが後追い自殺をしていた。(仙田いく山口朱美さん)
しかし警察は、暴行罪は本人が訴えない限り取り上げる事は出来ないものの傷害罪ぐらいにはなるだろうと暴走族の行方を追っている様子である。

仙田吾助は、奥さん、娘さんがなくなった為、受け取り人を主水に指名し、保険の契約を行う。(仙田吾助芦屋小雁さん)
しかし、主水は、吾助の態度が、奥さんと娘さんが亡くなったのに妙に明るい事に心配した。

その夜、主水は、加代、勇次、秀夫に、ボトル2本で吾助の身辺を見張ってくれる様に依頼。

翌日、加代が、吾助の行動を見張る。吾助は買い物に出掛ける。買い物は女性用の服や靴だった。
買い物の帰りに加代のタクシーに乗る。タクシーの中で吾助は加代に、女房と娘の為に買い物をしたと告げる。(女房と娘は既に死んでいるのに何故?)
次の瞬間、タクシーが暴走族に襲われる。暴走族が去った後、吾助は耳元で娘の悲鳴を聞き、固まっていた。



・新メンバー紹介
東京・六本木に、梅沢富美男さん到着。
梅沢さんの必殺技はせんすで有ると明らかにする。色々な女形に扮して、的を仕留めると発言。



・本編3
ミニバイクに乗り、片手で縄を振り回す練習をする吾助。何のつもりなんだろう?と、それを見張る、勇次。
その時、暴走族が側を通り掛かる。それを見つめる、吾助。

夜、仙田家で包丁を片手に突き刺す練習をする吾助。
それを目撃する秀夫。

加代、勇次、秀夫から、吾助の行動に関する報告を受ける主水。
彼らの報告から、主水は、吾助が一人で暴走族に恨みを晴らそうとしているのではないかと推測する。
主水は、慌てて仙田家に電話を掛けるが吾助は出ない。

吾助は女装し、自らが囮になり、暴走族を誘き出し、復習をしようとする。しかし、返り討ちに会ってしまう。



・夢の必殺2
京本政樹さんの夢の必殺を披露。
「宇宙編」
(宇宙空間で宇宙遊泳をしながら、的を仕留める物で有った。)
必殺史上初。宇宙空間で、仕事を行う。



・本編4
吾助の死体が上がる。
主水は警察に事の真相を話そうとするが、加代と秀夫がそれを引き留める。4人の関係や医者の「謎の転落死!」の問題を警察に調べれる事になりかねないからだ。

吾助の掛けた保険金1億5,000万の一部を仕事料に、恨みを晴らす事を持ち掛ける主水。
(保険金1億5,000万は基本的に、吾助のお墓と供養代に使用する予定。)
加代、勇次、秀夫の誰もそれに応えようとしない。主水の腹は決まった。1人でもやると!
一人で、「冬の花」を歌い出す主水。「一人で、良いカッコしなさんな!」と勇次が、又、「私達もやるわよ!」と加代が主水に言う。そして全員で、「冬の花」を歌う。4人で吾助の恨みを晴らす事が決定した。
涙を浮かべる主水。

新聞に「悲劇の父 水死」の見出しが躍る。
その記事を見てうろたえる田中係長。事故死だから契約上、1億5,000万支払わなければいけないからだ。
主水が保険金の受け取り人である事を知らされ仰天する田中係長。

ストップウオッチで何やら計算する勇次。
無心になって細工物を作る秀夫。

夜、出掛けようとする主水に文句を言うせんとりつ子。(せん菅井きんさん、りつ子白木万理さん)
2人に、「男には男の用って物が有るんだ!」と言い残し、出て行く主水。

秀夫、勇次、主水、加代の出陣(テーマは、新仕事人より「仕事人出陣」)

暴走族が無人のパトカー発見!
パトカーを叩き潰す暴走族。その様子を、影から伺う秀夫。
再び暴走族が走り出す。その内の1台の後に乗り込む秀夫。
バイクを1台乗り継ぎ、そして的のバイクに乗り移り的を始末、その後4台バイクを乗り換え、もう1人の的を始末。始末が終ると秀夫はバイクを飛び降り、その場を立ち去る。
(始末の方法は、飾り職の秀の手口と同じで金属性の先の尖った物で的の首筋を刺すと言う物)

2人いなくなった事に気付く暴走族。(2人の名前は、コウヘイとジロウ)
初めは気にも留めなかったが、やはりおかしいと考え、Uターンする。
それを待ち受ける勇次。ストップウォッチが作動する。2025の所で、勇次がピアノから取った金属性のワイヤみたいな物を的に目掛けて投げ、的のバイク毎吊り下げる。
後は、三味線屋勇次と同じ要領で金属性のワイワを引っ張る。(的の名前は、タカシ。)
バイクは地面に叩き着けられ、的は吊るされたまま。
それに気付き、引き返し、怒り狂う暴走族。誰がやったのかを探しに行く暴走族。
その場に隠れていた勇次が去る。

暴走族の前に、バイクに乗った加代が現れる。
主水の仕掛けた崖への道へ暴走族を誘きよせる為だ。
計算通り、加代の後を追う暴走族。主水は、暴走族を崖への道へ誘導する。
1台、1台と次々に崖の下へ落ちて行く暴走族。
総てのバイクが崖の下へ落ちて行ったと思われた。しかし、1台だけ崖から這い上がって来た。
主水と加代を襲って来る、そのバイクの運転手。主水は「工事中」と有る看板の下に隠れ、その上をバイクが通過する瞬間刀の様な物でバイクのガソリンタンクを突き刺す。ガソリンをばらまきながら走るバイク。
そして主水は、煙草を吹かし、その火をまき散らかされたガソリンに付け、火は引火し最後の暴走族はバイク毎爆発する。

新聞の見出しに、「暴走族、死の暴走」と出る。

会社にて田中係長に呼ばれる主水。呼ばれた所には顧問弁護士のアサクラ、調査部のキダの両氏がいる。その席で、吾助の掛けた保険金1億5,000万は支払えないと通告される。
理由は、精神的偏重をきたしての自尊行為。自殺を予見しての行為。つまり、契約の1年未満の自殺は保険支払いの対象外だと言うのだ。
主水は抗議するが、訴訟を起こすなら受けて立つと言われ、その場合退職してフリーの立場で争そって貰うとたたみかけられ、主水は白旗を揚げる。

保険金が出ない事を電話で、加代に告げるが加代は怒りをあらわにするものの電話を主水に切られる。
結局、今回の仕事料はボトル1本だけになってしまった。
「ボトル1本?それが仕事料か?」と嘆く勇次。
「やってられねえなあ!」と吐き捨てる秀夫。

中村家にて、すっかり元気をなくし「男には男の用が有るんだ」と、言った時の面影はなく、「又、元通りになったみたい」と、りつ子に言われる主水。

何とも情けない主水の顔がアップで画面が止まり、「おわり」と表示された。



・エンディング
藤田まことさんの夢の必殺を披露。
「北極物語編」
(北極にせんを置き去りし、主水とりつの2人の失った青春を取り戻そうと言う物。しかしりつは、せんを見捨てられない。2人でせんの処に戻ってみるが、せんの姿はなかった。)

藤田さんの解説に寄ると、せんはよっぽど物好きな白熊にでも食べられたのではないか?この解説に、東京の菅井さんより藤田さんに、何と言う夢をご覧になったのか?言う抗議が。そして、白木さんより、「あなた!もう!」と一喝される。

「激闘編」に関する抱負を一言ずつ

藤田まことさん「腕によりをかけて、頑張ります。」
村上弘明さん「野性味を一段と加えて、やって行きます。」
梅沢富美男さん「無茶苦茶、暴れます。」
菅井さん「おとなしく、やって行きます。」(嘘ばっかりと言う発言も有り。)
京本政樹さん「竜をイメージチェインジし、頑張りたいと思います。」
鮎川いずみさん「上品に、行きたいと思います。」


最後は鮎川いずみさんが、「激闘編」・主題歌[女は海]を歌い、バックでエンディングのクレジットが流れて番組が終了。
[女は海]の作詞・作曲は、京本政樹さん)


(おまけ)
「橋掛人」・第10話「日本橋の地獄火を探ります」の予告編が流れる。
又、製作トピックスも流れる(何話に関係するのか、確認出来ず。)


<エンディング・クレジット>

     (登場順)

   マル秘必殺現代版

  主水の子孫が京都に現れた

   仕事人 VS 暴走族



     キャスト  


     藤田まこと

     三田村邦彦

     鮎川いずみ

     山内としお

  山口 朱美 中西 紫野

  内田 正之 渥美  博

  葭川  浩 井上  孝

  浜  伸二 白  礼花


  高木 峯子 加地 春雄

  浜田 雄史 芝   弘

  矢野 裕子 斉田真由美

  鈴木 猛志 西脇美智子

日本ボデイビル実業団連盟

  マイクスタントマンチーム

     白木 万理

     菅井 きん

     芦屋 小雁

     中条きよし


       スタッフ

製     作 山内 久司(朝日放送)

プロデユーサー 仲川 利久(朝日放送)

        辰野 悦央(朝日放送)

        桜井 洋三(松  竹)


脚     本 吉田  剛

音     楽 平尾 昌晃

撮     影 石原  興

照     明 中島 利男

製 作 主 任 渡辺 寿男

        高坂 光幸

制  作  補 武田  功

美     術 梅田千代夫

録     音 広瀬 浩一

調     音 本田 文人

編     集 園井 弘一

監  督  補 津島  勝

助  監  督 都築 一興

装     飾 草川  啓

記     録 山村 晶子

進     行 鈴木 政喜

        三ツ田晴高

特     技 宍戸 大全

装     置 新映美術工芸

美     粧 八木かつら

衣     裳 松竹 衣裳

小  道  具 高津 商会

現     像 東洋現像所

製 作 協 力 京都映画株式会社

監     督 石原  興





     新装マル秘必殺現代版

東京六本木・京都円山公園・大坂梅田

     3元仕事人ナマ中継


         出演

       (大坂・梅田コマ)

        藤田まこと

        白木 万理

        笑福亭鶴瓶

        山内としお


       (京都・長樂館)

        鮎川いずみ

        京本 政樹



        (東京・六本木)

        菅井 きん

        梅沢富美男

        村上 弘明


総 合 司 会 玉井  孝


      スタッフ

     作 山内 久司(朝日放送)

プロデユーサー 辰野 悦央(朝日放送)

        桜井 洋三(松  竹)


      成 保利 吉紀


(
東京・六本木)     (大坂・梅田)

プロデユーサー      デイレクター
中村 元一        安田 貞夫

岡本 悦治        岩井 哲也

デイレクター       技術
外池 孝晋        西岡 康雄

井上  隆        佐藤  昇

技術            大鉢 憲二
杉本 哲男
              荒木  良
渡辺  修
              上田 好一
岡本 忠光
              弘光 和彦
平井 秀夫
              大東 照明
長田  一

渡辺  治


協力
テレビ朝日映像


(Cスタジオ)   (京都・円山公園)

デイレクター      デイレクター 
山村 啓介       森山 浩一   

株柳 真司       今村 俊昭

田中 夏人       平尾 和也

技術          技術
藤岡 興一       庄田 勝魔

田端 健一       直井 孝司

寺内  顕       木上 博万

西谷 高弘       大槻 俊樹

T.K.          沢田  冶
鹿嶋さちこ
            梨本 一夫

            池辺 明男

            大東 照明


協力     琵琶湖汽船 ミシガン

       姫路セントラルパーク

       東京・六本木「かっぱ」


製作協力   テレビ朝日

       松竹株式会社

       大坂 東道

       東道 企画

       T.S.P

       京都映画株式会社



製作著作   朝日放送

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